効果的な治療方法・治療費用・レーザーの種類やリスクなど、「シミ取り」において大切なことを知っておこう
シミとは
■皮膚は3層で構成されている
まずは皮膚の構成を見ていきましょう。
皮膚は、上から「表皮」「真皮」「皮下組織」の順に3層で構成されています。その中の「表皮」をさらに細かく見て行くと、上から「角質層」「顆粒層」「有棘層」「基底層」という順に4層で構成されています。
この基底層にある「メラノサイト」という色素細胞が、太陽光に含まれる紫外線を浴びることで刺激され、「チロシナーゼ」という酵素を作り出します。このチロシナーゼは、アミノ酸の一種である「チロシン」とともに、「メラニン色素」を作り出します。
■なぜシミができるのか
次に、シミが出来るまでのメカニズムを見ていきましょう。
生まれたばかりの新しい肌細胞は、表皮の基底層から細胞分裂を始め、分裂を繰り返しながら少しずつ上の層へと移動していきます。やがて皮膚の表面にたどり着き、その役目を終えると「垢」となって剥がれ落ちていきます。
個人差こそありますが、これらのサイクルはおよそ28日周期と言われており、これをターンオーバー(肌の新陳代謝)と呼んでいます。
健康な肌の場合、このターンオーバーの際に古くなった肌細胞とともにメラニン色素も剥がれ落ちるため、沈着することはありません。しかし、何らかの原因でメラニン色素が過剰に生成され、排出されずに残り、沈着してしまうことで、「シミ」となるのです。
■メラニン色素が正常に排出されない原因
メラニン色素が排出されずに残ってしまう原因はいくつかありますが、その多くは、紫外線を浴びすぎたことによって、メラニン色素が過剰生成されてしまうことが挙げられます。
また、例えばストレスを溜め込んでしまっている、寝不足など生活習慣が乱れている、栄養バランスが偏った食事が多い、そのほか身体の不調などによって、ホルモンバランスや新陳代謝が乱れることも原因となり、新陳代謝(ターンオーバー)の低下が起こり、メラニン色素が排出されずに残留・沈着してしまいます。
なお「そばかす」においては、紫外線を浴びたことによる影響のほか、遺伝的な要素が多いことも分かっています。
シミの種類
シミにはいくつかの種類があり、その種類によって治療方法が異なるケースがあります。
また、必ずしも一種類のシミだけが現れるものではなく、いくつかのシミが混在しているケースも多く見られます。
この“シミの種類”を知らずに自己判断でシミ対策やケアを行っていると、実はそれが誤った方法で、「全然治らない」あるいは「逆に悪化させてしまった」ということも決して少なくありません。
そこで、シミにはどのような種類や特徴があるのか、その代表的なものをご紹介します。
もし、自分自身のシミがどのシミに当たるのか少しでも不安がある場合は、自己判断のみに頼らず、医師に診断してもらうようにしましょう。
■老人性色素斑
いわゆる「シミ」として一般的に認識されているものの多くは、この老人性色素斑です。
「老人性」という名称ではありますが、早い人では10代から出始め、30代後半から40代以降に多く見られるようになります。
紫外線を長期間にわたって浴び続けてきたことで、皮膚に老化現象が起こり、シミとなって現れます。特に、若い頃に屋外でスポーツをしていた、紫外線対策を特にしてこなかったなどの理由で日焼け(あるいは雪焼け)を繰り返してきた方は、このシミが出来やすくなります。
■肝斑(かんぱん)
30代から40代の女性に多く見られる、“左右対称”のぼんやりとした茶色いシミです。
特に額、頬、鼻の下などに出来やすく、はっきりとした原因については未解明の部分もありますが、ピルを服用していたり、更年期や妊娠しているなどホルモンバランスが乱れやすい時期に多く見られることからも、女性ホルモンと関係があるのではないかと考えられています。
■雀卵斑
いわゆる「そばかす」と言われているものです。鼻の周りや頬などに、細かい点状の茶褐色のシミが現れます。
遺伝的な要素が多いとされていて、親子で発生しているケースも良く見られます(子においては10代頃から出始めることが多いようです)。
遺伝以外でも、老人性色素斑のように紫外線を浴びることによって現れる方もいます。
さらに、紫外線の影響を受け続けることで、出現範囲が広がったり色が濃くなったりします。
■炎症性色素沈着
ニキビ、吹き出物、やけど、擦り傷、薬品や化粧品などによるかぶれや炎症が、メラノサイトを刺激してしまい、かぶれや炎症などが治った後に残ってしまう褐色のシミです。
一般的には時間の経過とともに薄くなる傾向があると言われてはいますが、患部が紫外線を浴びることで色が濃くなることも分かっています。
■脂漏性角化症
もともとシミであった部分が、老化に伴い徐々に隆起してくることで凹凸ができ、イボのようになったものを脂漏性角化症と呼んでいます。
放置してしまうと大きくなることが多いため、小さいうちに治療をすることが望ましいとされています。
■摩擦黒皮症
タオルで擦りすぎた、手でいじりすぎたなど、外的な刺激を繰り返し受けることで皮膚の深い部分で色素沈着を起こし、「黒ずみ」のようになって現れるのが摩擦黒皮症です。
これらのほかにも「真皮メラノサイトーシス」「花弁状色素斑」「太田母斑」「扁平母斑」「異所性蒙古斑」「ベッカー母斑」など、シミには多くの種類があります。
自己判断はなかなか難しい部分もありますので、医師の診断を受け、自分自身の症状に合った適切な治療を行うことが大切です。
銀座ファインケアクリニックでは、最初に医師による診察を行い、シミの種類を判断すると共に、各患者様に最も適したレーザー治療を提案いたします。
シミに対して効果がある治療方法
ここまでは、シミの原因や種類について解説をしてきました。
それでは、現在のシミ取り治療の方法をご紹介します。
■シミ取り治療で用いられる主な外用薬
(1)ハイドロキノン軟膏
「肌の漂白剤」などと呼ばれることがあります。メラノサイトに働きかけ、チロシナーゼという酵素に対して作用し、その活動を阻害することでメラニン色素の生成を抑えます。
しかしながら、有効成分が高濃度であり、用量や用法を誤ると逆に刺激を与えてしまうこととなり、かぶれ、赤み、皮剥けなどを招く可能性があります。
(2)トレチノイン軟膏
ビタミンA誘導体であるレチノイドの一つで、肌細胞の新陳代謝を促し、コラーゲンを生成します。これにより肌にハリ、潤いなどをもたらしてくれるため、「肌の若返り薬」とも言われています。肌細胞の新陳代謝が活発になることで、沈着してしまっているメラニン色素の排出を促します。
使用直後から数週間は、赤みや皮剥けなどが継続するため、しっかりと経過を観察しながら用量を調整する必要があります。
また、経皮吸収を通じて胎児に影響を与えることから、妊娠中は使用出来ません。
■シミ取り治療で用いられる主な内服薬
(1)トランサミン
メラノサイトの活動を活発にするプラスミンという物質の働きを阻害することで、メラニン色素の生成を抑えます。
(2)ビタミンC誘導体
高い抗酸化作用を持ち、メラニン色素に働きかけることで、色素沈着を抑制します。
人間の体内では生成されない成分のため、内服薬および食事などから摂取しなければなりません。
(3)ビタミンE
メラニン色素は、チロシナーゼという酵素のほかに、アミノ酸の一つであるチロシンが酸化することで生成されます。ビタミンEは高い抗酸化作用があるため、このチロシンの酸化を阻害してくれます。
また、血流を改善する働きも併せ持っているため、肌細胞の新陳代謝を促進する効果も期待できます。
(4)Lーシステイン
アミノ酸の一つで、特にビタミンCと一緒に働くことでメラニン色素の生成を抑制してくれます。
肌細胞の新陳代謝を整えることで、沈着してしまっているメラニン色素の排出を促す効果が期待できます。
現在は以上のような外用薬や内服薬を使用して治療が行われています。
しかし、これら外用薬や内服薬による治療は、特定の種類のシミにしか効果が期待できなかったり、あるいは即効性がないといった問題を抱えています。
■シミ取りレーザー治療
シミの部分にレーザーを照射することで、皮膚の深い部分にあるメラニン色素を焼きます。メラニン色素のみに反応するため、正常な皮膚に影響はほぼありません。
レーザー照射後は、シミがかさぶたの状態となり、1週間程度で剥がれ落ちます。
しかし、従来のシミ取りレーザー治療においては、
・肝斑の症状を悪化させてしまうことがある
・“当てムラ”が発生してしまう
・施術後のダウンタイムにガーゼや絆創膏などを貼らなければならない
・ダウンタイムにおけるケアを誤ることで、シミが余計に濃くなってしまうことがある
これらのような問題も抱えていました。
シミ取りに効果的なレーザー治療や光治療
銀座ファインケアクリニックで行っているシミ取りレーザー治療および光治療では、そのような悩みを一気に解消することが出来ます。
どのような種類のレーザー治療や光治療があり、それぞれどのような特徴があるのか、費用なども含めて詳しく解説いたします。
■肝斑の治療をも可能にした「スペクトラ」によるレーザー治療
銀座ファインケアクリニックで取り入れているのは、ルートロニック社製のQスイッチYAGレーザー「スペクトラ」という、最先端のシミ取りレーザー治療機器です。
これまでレーザーを始め「治療自体が難しい」と言われていた“肝斑の治療”に対しても、大きな効果を発揮します。
【スペクトラの大きな特徴】
・532nm/1064nmという2種類の短波長レーザーに加えて、長波長レーザーの照射も可能になり、シミ、肝斑治療のほか、肌の若返りや肌トラブルなど、非常に幅広い症状や悩みに対しての治療をすることが出来るようになりました。
・トップハットビームという技術が採用され、従来のQスイッチYAGレーザーでは困難だった”ビーム波形の安定化”が実現されました。これにより、従来製品の問題点であった”当てムラ”が解消され、ビームのエネルギーは均一にメラニン色素に照射・吸収されるようになりました。
・レーザーの熱が表皮や真皮を刺激し、肌の新陳代謝を活性化させることで、ニキビ肌の改善、毛穴の引き締めなどにも効果を発揮します。
・ダウンタイムがなく、施術後にガーゼや絆創膏を貼る必要もないため、施術当日にメイクをしてお帰りいただけるようになりました。
・継続して照射を行うことにより、小じわの改善や毛穴の引き締め、キメやハリを整えるなどの美肌効果、および美白効果が得られるようになりました。
・その高い性能から、表在性のシミにおいては一度きりの照射であっても効果を実感していただけるようになりました(肝斑については表在性のシミではありませんのでご注意ください)。
このように、スペクトラは様々な特徴・性能を持ち、非常に幅広いニーズに対しての治療を可能にしました。
その中でも特に「肝斑」に対する効果は画期的とも言え、これまで「治療が困難である」と言われていきた肝斑治療を可能にしました。
また、シミや肝斑のみならず、タトゥーや刺青などの治療(除去)に対しても十分な効果を発揮します。
スペクトラでは、シミ、肝斑の治療とともに、美白や美肌も手に入れることができるようになったのです。
【スペクトラの費用(鎮静パック付)について】
・顔の肝斑治療:「ルートロトーニング」1回15,000円/10回120,000円
・背中のシミや色素沈着:「ルートロピール」1回40,000円/5回160,000円
・その他シミ:1cm以下1mmごと1回2,000円/1cm以上1個につき1回20,000円
・タトゥー除去:5cm×5cmごと1回50,000円
*表示は税抜価格
*初回トライアルは30%OFF
■複数の肌トラブルを同時に改善させる「フォトフェイシャル」による光治療
フォトフェイシャルは、IPL(インテンス・パルス・ライト)という、幅広い波長を含んだ可視光線を顔全体に照射する光治療です。
線維芽細胞を刺激することでコラーゲンの再生能力を向上させ、複数の肌トラブルを同時に改善することを可能にしました。
【フォトフェイシャルの大きな特徴】
・IPLの光エネルギーが真皮まで届き、線維芽細胞を活性化させることでコラーゲンの生成を促進します。これにより、毛穴の引き締め効果や、キメが整ったハリのある肌を手に入れることが出来ます。
・IPLの光エネルギーは肌の新陳代謝を促進させるため、沈着してシミとなっているメラニン色素を“自然な形”で排出させることが出来ます。
・IPLの光は、メラニン色素にもピンポイントでしっかりと反応します。そのため、顔全体に照射をすることで肌への負担はほとんどないまま、シミを改善することが出来ます。
・シミはもちろん、くすみ、そばかす、毛穴、肌のキメ・ハリ、ニキビ、ニキビ痕、シワ、赤ら顔の改善など、非常に幅広い複数のトラブルに対して同時に効果を発揮します。
・ダウンタイムがほぼないため、施術直後よりメイクをしてお帰りいただくことが出来ます。
このように、光治療のフォトフェイシャルは、複数のトラブルに対して同時に効果を発揮します。
肌へのダメージも最小限に抑えられ、また3週間に1回の施術で効果を発揮するため、忙しい方にも無理なく続けていける治療です。
【フォトフェイシャルの費用(鎮静パック付)について】
・顔:1回30,000円/5回128,000円
*表示は税抜価格
*初回トライアルは約83%OFFの5,000円
銀座ファインケアクリニックで取り入れているシミ取レーザー治療および光治療は、このようにシミ取り以外にも美白効果、美肌効果、肌質改善効果があります。
「シミだけ」を取り除いても、肌の新陳代謝が低下したままであったり、あるいは何らかの肌トラブルを抱えたままであっては、再発や新たなトラブルを招きかねません。
つまり、シミ取り治療はそれと同時に適切なスキンケアも行っていくことが大切である、ということが言えます。
■治療を受ける最適なタイミング
シミの原因の多くは「紫外線」によるものです。そのためシミ取りの治療を受けるタイミングとしては、紫外線が弱まる10月から3月頃がベストであると言われています。
なお、もちろんそれ以外の時期でも治療を受けていただくことは可能です。その場合、特に紫外線対策などについては医師や看護師が責任を持ってアドバイスをさせていただきますので、どうぞご安心ください。
おわりに
シミ取りのレーザー治療を行う際に「治療をためらってしまう理由」として良く挙げられるのは、「費用が高そう」「痛みが心配」「ダウンタイムなど術後のケアが大変そう」といったことではないでしょうか。