シミの種類やシミができる原因・メカニズムを知って、今から紫外線対策を!
シミとは?
主に顔にできる茶色や茶褐色などの斑点のことを一般に「シミ」と呼んでいます(顔以外にも腕、手の甲、背中、胸元、肩などに良く見られます)。そう見えるものは全て「シミ」と認識されている人が多いのですが、医学的な角度から見てみると、そのシミにもちゃんと種類があり、大きく分けると6種類に分類されます。
それぞれどのような特徴があるのか、原因は何なのか、対策方法は?
まずは自分の「シミ」がどの種類のシミなのか、理解することが大切です。
シミの種類について
大きく6種類に分類されているとお伝えしましたが、その一つずつを詳しく見ていきましょう。
■老人性色素斑
シミの中で最も多いのがこの「老人性色素斑」です。主な原因は「紫外線」によるもので、大きさは数mmから数十mmほど、丸い色素斑で、特に骨格が高いほお骨付近などに出来ることが多いとされています。若い時に紫外線対策を特にしなかったなどの理由が大きいとされていますが、早い人は20代で出始めることがあります。
■脂漏性角化症
医学的には「皮膚の良性腫瘍」とも言われています。茶色っぽい色から黒っぽい色のシミがイボ状になって盛り上がっているケースです。放置したり紫外線に当たったりすることで、徐々に厚くなったり大きくなることがあります。
■雀卵斑(ソバカス)
主に遺伝が原因とされています。目の下などに出来ることが多い細かい色素斑で、10代頃から出来始めます。脂漏性角化症と同様に、紫外線を受けたりすることで色が濃くなったり、範囲が広がったりします。
■炎症性色素沈着
皮膚が炎症を起こした跡や、ニキビあるいは傷などの跡に色素が沈着してしまうことでシミとなって残るのが、この炎症性色素沈着です。虫刺されなども該当します。本来であれば、一時的には茶色っぽくなっても自然に薄くなり、次第に消えて行くのが正常ですが、何らかの原因で残ってしまいま」す。紫外線を浴びてしまうことで濃くなったり、また消えにくくなったりします。
■肝斑(かんぱん)
主に目の下にぼんやりとできるシミで、左右対称という特徴があります。形が肝臓に似ているところから「肝斑」と呼ばれていますが、肝機能との関係はないとされています。閉経後に消えたり、妊娠中に出ることがあるため、女性ホルモンが関連しているのではないかと言われていますが、詳しい原因は未だ分かっていません。
■花弁状色素斑
主に紫外線が原因と言われています。海水浴やスキーなどで多量の紫外線を浴びて日焼けや雪焼けをした後、顔のほか、肩、背中、胸、腕などにもメラニン色素が沈着し続けることで、シミとなって残ります。
紫外線によってシミが出来るまで
前の項目でご紹介したように、シミの原因は、過去に浴びた紫外線によるもの、遺伝によるもの、食生活や生活習慣に起因するもの、ストレスやホルモンバランスの乱れなどに起因するもの、皮膚の炎症やニキビなどによるものなど、一つではありません。
その中でも特に多い”紫外線”によるシミについて、なぜ出来てしまうのかのメカニズムをご紹介します。
太陽光に含まれる紫外線を浴びることで、メラノサイトという色素を作り出す細胞が「メラニン色素」を産生します。そのメラニン色素は、肌を黒くすることで紫外線がそれ以上肌の奥に入り込まないように守っています。これは、紫外線による害から肌を守るための防御反応によるものです。これだけであれば健全な防御反応と言えるのですが、このメラニン色素が沈着してしまうことで「シミ」が出来てしまいます。
沈着し続けてしまう原因はいくつかありますが、特にターンオーバーが乱れてしまうのが大きな原因であると言われています。ターンオーバーは個人差がありますが、正常であればおよそ28日周期程度と言われていますが、加齢やそのほかの原因でこの周期が乱れることで、メラニン色素が剥がれ落ちずに沈着したままになってしまいます。
つまり、紫外線によるシミ対策という点では、「日焼け止め」「帽子」などで紫外線を浴びないようにすると同時に、肌のターンオーバーが乱れないように、食生活や生活習慣を見直したりする必要があるということが言えます。
美白化粧品は効果が期待できる?
シミによっては“美白化粧品”が有効なケースもあると言われていますが、完全に消すなど劇的な効果は期待できない、というのが本当のところのようです。デパートやドラッグストアなどで市販されていて、医療のプロではない一般の人が使用するものですので、それを想像すれば確かに納得です。シミの種類や状態は人により異なりますし、それによって対策も変わってきますので、完全に消し去りたいというときには、専門家に相談をするのも最善の方法です。
迷った時は医療クリニックで相談を
自分のシミはどの種類で、具体的な原因や対策は何なのか、ケア方法は合っているのか、あるいは、完全に消したい!などといった場合、やはり専門の知識や経験を豊富に持っていて、“医療行為”を行える資格もある「医療クリニック」での相談や治療が、いちばん安全かつ確実と言えるでしょう。
迷った場合は自己判断で間違ったケアを行ってしまう前に、まずは一度相談をしてみてはいかがでしょうか。